こんにちは、雪猫です(๑❛ᴗ❛๑)
今回は、私が中学生だった頃の恐怖のお話です。
私の実家は田舎なので、小さな頃から釣りは身近なものでした。
初めて手にした釣り竿は、そこら辺に落ちている木の棒です。
そこにただの糸を括りつけ、糸の先に小麦粉で作った小さなお団子をくっ付けるだけ。
近くの小川でメダカだかハヤの子だかよく分かりませんが、2cm前後の小さな魚を狙った釣り大会から始まりました。
小さな魚たちは、まさか自分が釣られるなんて思ってもいません。
お団子を集団の中にそっと落とすと、意外と簡単にパクッと食いついてきます。
そして、そのまま吊り上げると釣り針が無いので数秒でポトンと小川の中へと戻っていく。
その繰り返しが楽しかったのです。
魚からしてみれば、おいしいご飯を食べた瞬間に体が浮いて、一瞬ビックリしちゃったけど結果オーライ!みたいな感じでしょう。
そうやって近所の幼馴染たちと釣り大会を楽しんでいました。
小学校高学年になると、ハヤの子供からハヤの大人へとターゲットが変わっていきました。
近所の幼馴染の男の子が持っていた釣り竿で、少し離れた大きな川までお出掛けです。
主に見ている側でしたが、たまに釣り竿を貸してもらい、ハヤが釣れるのを楽しんでいました。
餌を付けることと、釣れた後に魚を外すのが怖くて全部男の子にやってもらう。
ミミズや魚を触るのは嫌だけど、釣れる瞬間だけ楽しみたい典型的な女子です。
食べることはなかったので、釣れたら即リリースしていました。
中学生になると、本格的な物ではないけど家族で釣りにハマり、ダムでニジマスを釣ったり、海でサビキを使ってコイワシを大量に釣ったり、休みの度にどこかへ釣りに出掛けていました。
一度、父親の同僚達と船釣りにも出掛けましたが、あれは無理でした。
かつてないくらい酔いました。
酔った気持ち悪さと、魚の生臭さの絶妙なハーモニー。
船の上でもゲロゲロ。島についてもゲロゲロ(==)
皆が釣りを楽しんではしゃいでいる中、私一人死体と化していました。
この時から、もう船釣りには絶対行かない、と固く誓っています。
そして、海では投げ釣りもしていました。
魚を釣ることよりも、いかに遠くまで飛ばせるかということを楽しんでいたと思います。
竿を思いきり振ると、さっきまで近くにあった先端が勢いよくピューンと飛んでいくのがとても楽しかったのです。
そして、海に投げ釣りに行ったある日のこと。
ゴカイを父親に付けてもらい、いつものように投げ釣りを楽しむ。
・・・予定でした。
ゴカイというのは、ミミズにギザギザを足したような餌のことです。
これが凄く気持ち悪くて、自分では付けられません。
準備が整うと早速投げ釣り開始です。
いつものように勢いよく竿を投げ出したところ、何故か遠くへ飛びません。
何で?
投げるタイミングが悪いのかな?
投げる角度が悪いのかな?
気を取り直してもう一度投げてみます。
すると、ゴカイを付けた釣り針が、着ている服の後ろにバチンと当たりました。
わーー
危ない危ない!
気をつけよ~。
そう深く考えずに体制を整えてまた続けたのですが、やはりいつもみたいにピューンと飛んでいかないのです。
何で今日は上手く飛ばないんだろう?
さっぱり分かりません。
でも次はきっと上手くいく。
そう思い、再び勢いよく投げた次の瞬間、
バチン!!!!
突然右の頬に衝撃が走ったのです。
痛!何!?
一瞬何が起こったのか分かりませんでした。
が、すぐに顔に釣り針が当たったのだと気が付きました。
痛かった右頬に手をやると、そこに釣り針らしき物がくっついています。
すぐに取れるものだと思って引っ張ってみましたが、ビクともしません。
嫌な予感・・・
これはヤバいことになったかもしれない。
ことの重大さに少しずつ気付き始めた私は、それを確認するために、急いで車のミラーまで走りました。
きっと大丈夫。
鏡を見ながら取れば何とかなる。
そう言い聞かせながら。
そして車のミラーを覗き込むと。
!!!!!!
世にも恐ろしい光景が目に飛び込んできました。
釣り針が半分皮膚の中にめり込んで、しかもそこにあの気持ち悪いゴカイがぶらさたっていたのです!!!
ぴゃーーーー!!!!!!
見た瞬間に顔面蒼白の大パニック。
針が!針が!
針がーーーー!!!
そう叫びながら、少し離れた場所にいた父親の元へ助けを求めに行きました。
ゴカイがぶら下がった気持ち悪い顔の娘を見た父親は、
「え?どした?はっはっはーー!!」
なんと、笑ったのです!!!
そんなに慌てることもなく笑いながら右頬を覗き込む父。
こんなに大事件なのにひどい!!!と、最初腹が立ちましたが、落ち着いている父親を見ていると、
あれ?これはもしかしたらすぐに釣り針が取れる状況なのかも?
かすかに希望の光が見えてきました。
父親はとりあえずゴカイを取り、残った釣り針を少し強めに引っ張ります。
いでででで!!!
皮膚ごと引っ張った先に持っていかれて、ビクともしません。
「これは無理だな。病院へ行こう。」
病院・・・
希望の光が消えました。
やばいことになった。
これは絶対手術だ。
病院に向かう途中、色んな妄想が浮かんできます。
メスで切り開いて針を取り出した後、そこを縫うんだ。
生涯チンピラみたいな10cm位の傷跡が残るんだ。
どんどん妄想が膨らんでいきます。
なんとかしてほしいけど、現実を突きつけられたくない。
病院までドナドナです。
そして、病院へ到着。
その日は日曜日で救急外来だったため、すぐに診察が始まりました。
釣り針が刺さった私の顔を見た先生は、
「は~なるほど~~。」
静かに言葉を発します。
大事件なのか、そうでないのかどちらとも取れる言葉です。
手術かもしれないと思っている私は、恐怖に怯えながら先生の次の行動を待ちます。
そして、少し考えた先生は奥から何やら持ってきました。
それはまさに手術の始まりの証である、
麻酔の注射器です。
もう将来チンピラになろうと、先生に身を任せるしかありません。
そして、先生は椅子に座ったままの私の顔に麻酔を打ち始めました。
え!?ここで手術!?
ここで座ったまま切り開かれるのか・・・
麻酔の痛さよりも恐怖の方が強く、あまり痛みを感じませんでした。
自分がどうなっていくのか分からないまま目を閉じていると、先生は何やら釣り針をぐいぐいやっています。
そして、パチンという音のすぐ後に、
「はい、取れたよー。」
そう言って手の中の釣り針を見せてくれました。
さっきまで私の顔の中にあった釣り針が、2つに割れて先生の手のひらの上に、ちょこんと乗っています。
顔を触ってみると元通りの自分の肌です。
あれだけビクともしなかった釣り針が、ものの数分で無くなった。
先生は神だ!!!
本気でそう思いました。
地獄から天国へ急上昇です。
後々聞いてみると、釣り針の先はかえしが付いているので引っ張っても抜けないとのこと。
なので、
そのまま奥まで突き刺して先端を一旦反対側の皮膚の外に出し、
その先端をパチンと切って、また元の方向に抜けばいい。
ということでした。
小さな傷穴が2つ付いているので、少し消毒してガーゼ貼って終わり。
先生、いや、神様!!
私を救ってくれてありがとうございます!!!
そのまま数日はガーゼを貼ったまま学校へ行きました。
ここからは自分には記憶が無いのですが、
そのガーゼを見た友達が私に、
「それどうしたの?」
と聞いたらしいのですが、
「な、なんでもないよ!」
頑なに理由を言わなかったらしいです。
思春期真っ只中の女子。
釣り針が顔に刺さってゴカイがぶらさがったなどと、口が裂けても言えなかったのだと思います。
大人になってから説明をしました。笑
そして、その日を境にぱったりと釣りに行かなくなりました。
父親や兄弟が行こうと言い出しても、私だけ頑なに拒否して家でお留守番。
あんな恐怖は二度と味わいたくなかったんですね。
何のメリットも無い出来事でしたが、数年後一つだけいいことがありました。
友達数名とテレビのクイズ番組を見ていたら、
「釣り針が皮膚に刺さった時はどう対処すればよいか?」
という正解率数パーセントの難問が出てきたのです。
難問?
もちろん私には簡単な問題でした。
テレビに映っている回答者の誰よりも早く答えを披露。
鼻高々に。笑
だだそれだけです。笑
以上、顔に釣り針が刺さった修羅場な話でした☆
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